2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20686045
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
田中 諭 長岡技術科学大学, 産学融合トップランナー養成センター, 特任准教授 (20324006)
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Keywords | 構造、機能材料 / セラミックス / 圧電体 / アルミナ / 磁場配向 / スラリー |
Research Abstract |
本研究では、弱磁性セラミックスの強磁場中回転配向速度論(強磁場配向キネティクス)と、配向成形体の無磁場焼結時の自発的異方粒成長速度論(異方性焼結キネティクス)を、組合せて、成形時から焼結過程までを制御する、積極型結晶配向セラミックス製造法"磁気キネティクスプロセッシング"の提案を目的とした。本年度は、次の事項を検討した。 配向の速度論モデルの検証を行った。配向におよぼす磁化率、粒子径、粘性、磁場強度、および時間の影響を調べた。実際の系では、配向にはスラリーの粘性が大きく影響することがわかった。また、理論の数倍から数十倍の時間がかかること、成形段階では配向が100%には到達しないことが示された。スラリーの直接観察の結果から、スラリー中には凝集粒子が残存し、配向を阻害していると推察された。 焼結配向構造発達キネティクスの検討では、種々の条件で作製した配向体を用いて、焼結途中の配向構造発達過程を検討した。配向分布測定と微構造観察により、焼結体の微構造の発達過程について検討した。その結果、アルミナ微粒子分散スラリーから調製した成形体では、粒子径が小さくなると、成形体段階での配向評価が低くても、焼結により、配向構造発達が高度に発達することがわかった。また、酸化亜鉛、酸化チタン、およびタングステンブロンズ系酸化物等においても、焼結により、配向構造が著しく発達することがわかった。特に酸化チタンの系では、焼結による配向構造の発達が顕著であり、これは原料中の僅かにふくまれる大きな粒子が配向し、これを粒子を中心とした粒成長がおこり、配向焼結体となると考えられた。成形時の配向と焼結時の配向構造発達の一連としたプロセスにおいては原料粒子径とその分布の制御が非常に重要であることがわかった。
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