2010 Fiscal Year Annual Research Report
外部刺激応答機能を有するハイブリッドカプセルの創成
Project/Area Number |
20686046
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
片桐 清文 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教 (30432248)
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Keywords | 有機-無機複合体 / チタニア / 交互積層法 / 磁性ナノ粒子 / 脂質二分子膜 / 磁気ハイパーサーミア / 外部刺激応答材料 / 薬物運搬体 |
Research Abstract |
本研究では、外部刺激応答性の新規なカプセル材料の創成を目的とする。コロイド粒子をテンプレートに用いた交互積層法と無機材料の水溶液プロセスによる合成法に着目し、外部刺激応答機能を有する有機-無機ハイブリッド型のインテリジェント中空カプセルの作製を行った。特に、高分子電解質層の表面状態の無機結晶の溶液プロセスからの析出への影響などを明らかにし、光、磁場等の外部刺激に応答して、内包物を放出する機能の発現を図る。3年間の研究計画の3年目にあたる本年度は以下のような成果を得た。 前年度までに開発したFe_3O_4脂質二分子膜/高分子電解質ハイブリッドカプセルについては、内包物の放出挙動を詳細に検討した。このカプセルは標識物質として色素を封入したものに交流磁場を印加すると、Fe_3O_4ナノ粒子の発熱によって脂質膜の物質透過性が変化し、色素をオンデマンドで放出する。前年度までに磁場の強度を変化させると、それに応じて内包物放出速度が変化することを見出したが、今年度はカプセルに組み込むFe_3O_4ナノ粒子の量を変化させることで、同じ磁場強度でも放出挙動をコントロール可能であることを明らかにした。さらにコロイドテンプレート法のみならず、脂質二分子膜ベシクルに疎水化した磁性ナノ粒子と温度感受性高分子を組み込むことでも磁場応答性カプセルが得られることを明らかにした。このベシクルはコロイドテンプレートで作製したカプセルよりも小さいサイズでの作製が可能であり、ガン細胞に選択的に取り込まれるEPR効果を狙うことが可能になる。これらの成果より、本研究課題では医薬品分野などに展開可能な外部刺激応答性の有機-無機ハイブリッド中空カプセルの創成に成功した。
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Research Products
(19 results)