2010 Fiscal Year Annual Research Report
加工熱処理によるマグネシウム合金内部組織の電気化学的均質化と腐食制御
Project/Area Number |
20686050
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山崎 倫昭 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (50343885)
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Keywords | マグネシウム / 長周期積層構造 / 腐食防食 / 組織制御 / 加工熱処理 / 急速凝固 |
Research Abstract |
本研究の目的は、高耐食高強度Mg合金の開発であり、急速凝固、および動的・静的再結晶現象、動的・静的析出現象等を利用して合金内部組織を制御することで電気化学的な組織の均質化を図り、糸状腐食を制御し、不働態化現象を引き出す事を試みた。平成22年度は、(1)長周期積層構造相(LPSO相)を第二相として有するMg-Zn-Y系およびMg-Zn-Gd系鋳造合金の耐食性と構成相の関係を調査するとともに、(2)平成21年度の研究により得られた高耐食性Mg-Zn-Y-Alの鋳造押出材の腐食皮膜形成について調査した。 1.ケルビンフォースプローブ顕微鏡を用いてLPSO相を有する様々なMg合金の合金の表面電位測定を行うことで、合金の内部組織に起因する電位差と耐食性の関連を調査したところ、LPSO相を構成する溶質元素種の種類によって、α-Mg母相とLPSO相との表面電位差が大きく異なり、糸状腐食の発生時間に大きく影響することが明らかとなった。 2.Mg_<97>Zn_1Y_2合金へAlを微量添加することで耐食性がより向上する理由を、形成される皮膜のFE-SEM断面観察及びグロー放電分光分析(GDOES)による成分分析により調査したところ、AlおよびYが表面皮膜の内層側に濃化していることが確認された。Alを添加したMg_<97.25>Zn_<0.75>Y_2四元系合金は三元系合金に比べ、塩水中のアノード分極曲線測定において皮膜のbreakdown電位が貴な方へ移行している点からも、Al添加による皮膜改質が示唆された。
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