2010 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界二酸化炭素中での分散染料の溶解度およびポリマー中への拡散係数
Project/Area Number |
20686052
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
東 秀憲 金沢大学, 自然システム学系, 助教 (40294889)
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Keywords | 超臨界二酸化炭素 / 溶解度 / 拡散係数 / 分子シミュレーション / 染料 |
Research Abstract |
本年度は,比較的溶解度の低い染料に対して超臨界二酸化炭素に対する溶解度の測定を行い,二酸化炭素と染料の相互作用の考察を行った.また,超臨界二酸化炭素雰囲気化におけるポリマー中への染料の拡散係数の測定を行い,ポリマーフィルムの超臨界染色の適用性の検討を行った. また,これまでに得られた溶解度データに対して,溶液論による方法および3次状態方程式に過剰Gibbs自由エネルギー型の混合則を用い,活量係数の計算にグループ寄与法を適用してモデリングを行った.溶液論による方法では,溶質の融点および融解熱が必要であるので,合わせて測定を行い,また,混合染料の溶解度測定に先立ち,混合染料の固液平衡を測定した. さらに,高速計算機を用いて,分子シミュレーションの手法を用い,超臨界二酸化炭素に対する溶質の溶解度の計算,超臨界二酸化炭素中での二酸化炭素の自己拡散係数および溶質分子のトレーサ拡散係数の計算を行い,超臨界二酸化炭素雰囲気下におけるポリマー中への二酸化炭素,染料分子の拡散係数の計算を行うための準備とした.分子シミュレーションは,分子を一つのサイトと仮定した単サイトモデルおよび構成するいくつかの原子団からなる多サイトモデルとおいた,簡略化した粗視化原子モデルを採用することにより,計算の高速化をはかるとともに,サイトの決定には各原子団のおよぼす影響を考察できるように考慮した.得られた情報を系統的に整理し,超臨界染色に最適な条件を検討するとともに超臨界染色に最適な染料分子の選定の基盤を構築した.
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Research Products
(2 results)