2009 Fiscal Year Annual Research Report
ベンゼン及び炭化水素類の高選択酸化反応を実現する担持レニウムクラスター触媒の開発
Project/Area Number |
20686055
|
Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
唯 美津木 Institute for Molecular Science, 物質分子科学研究領域, 准教授 (70396810)
|
Keywords | レニウム / 担持触媒 / 選択酸化 / XAFS / 反応機構 / フェノール / 固体触媒 / ゼオライト |
Research Abstract |
平成21年度は、ベンゼンと酸素からのフェノール直接合成に高い活性を有する担持Re触媒の触媒性能の向上を目指して、(1)高フェノール選択性を維持した状態でのベンゼン転化率の更なる増加を実現できる新型触媒の開発、(2)In-situ構造解析を駆使した選択酸化触媒活性構造の解明の2つの研究を実施した。 (1) は、これまで開発に成功したHZSM-5ゼオライト担持Reクラスター触媒のベンゼン転化率を更に増加させるために、PtやPd、Fe、Ni等の第2金属成分をHZSM-5ゼオライト担持Re触媒に添加し、触媒活性の増加を検討した。Pt添加触媒が飛躍的なベンゼン転化率増加を与えることを見出し、ReやPtの担持量、担持方法を精査し、Re 2.5wt%、Pt 2wt%の担持触媒が、ベンゼン転化率28%、フェノール選択性92%でベンゼンと酸素からフェノールを直接合成できることを明らかにした。このRe-Pt担持触媒の構造を明らかにするために、固体NMR、粉末X線回折、XPS、BET、紫外可視分光、TEM、XAFS等の構造解析を行った。 (2) は、大型放射光施設を利用したin-situ XAFS測定、in-situ時間分解DXAFS測定、in-situラマン分光測定により、ベンゼン/酸素からのフェノール直接合成過程における担持Re触媒の構造変化を検討した。ベンゼンの有無により、触媒活性種であるReクラスターの分解が抑制されることを明らかにし、定常的な触媒活性種の濃度が低いことから、触媒活性種であるReクラスターの安定性を増加させれば、今後の触媒開発次第で、更にベンゼン転化率増加が見込めることを明らかにした。
|