2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20686056
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
福田 淳二 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (80431675)
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Keywords | 自己組織化単分子膜 / 細胞組織工学 / バイオ関連機器 / 細胞チップ / マイクロアレイ |
Research Abstract |
平成20年度は、10-Carboxy-l-decanethiol、7-Carboxy-l-heptanethiol、L-Cysteineの3種類のチオール分子を用いて、まず細胞の脱離に及ぼす効果を検証した。その結果、それぞれの分子の還元電位は、それぞれ-0.93V、-0.89V-0.71Vと異なるにも関わらず、細胞脱離に及ぼす差異は全く見られないことが分かった。この結果は、細胞脱離の律速過程がチオール分子の還元脱離過程ではなく、接着細胞のコントラクション過程であることを示唆している。次に、2次元細胞シートの脱離および積層化を行った。まず、脱離させた細胞シートの取り扱いを容易にするため、第一層の細胞シートのみに脱離前にコラーゲンゲルを支持層として付与した。そして、電位印加により細胞シートを剥離し、そのまま別の細胞シート上に静置し、再び電位印加により脱離させた。この操作を繰り返すことで、肝細胞や繊維芽細胞シートの積層構造を構築した。ここで、細胞シートを移植へと用いた場合に、生体への生着性を左右する細胞外マトリックスの存在について免疫染色により評価した。すなわち、繊維芽細胞シートの組織切片を作製し、フィブロネクチンを蛍光免疫染色したところ、積層細胞シート内に明らかに保持されていることを示した。また、同様に肝細胞の3層細胞シートについて、アルブミンを蛍光染色したところ、シート全体の細胞がアルブミンを発現していることが確認された。以上により、本手法が生体外において細胞組織を構築する技術として優れていることを示した。
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Research Products
(11 results)