2010 Fiscal Year Annual Research Report
ピギーバックを利用した多目的超小型自律再突入機の基礎研究
Project/Area Number |
20686058
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
得竹 浩 金沢大学, 機械工学系, 准教授 (80295716)
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Keywords | 無人航空機 / 再突入機 / 飛行制御 |
Research Abstract |
1.外乱補償制御の改良 21年度までに開発した外乱オブザーバ及び外乱補償制御を改良した.機体構造の損傷や断熱材のはく離などの空気力に対する影響を恒常的に印加される外乱入力で表現し,外乱オブザーバで推定する.次にそれらの外乱下での望ましい釣り合い状態を規定し,その状態を達成するトリム入力を求める.そして既存のH∞コントローラで,目標トリム点周りに安定化するサーボ系を構成した.この手法を用いることで,故障などの影響を考慮した理想のトリム状態で飛行する耐故障制御が実現できる.また,提案手法はすべて線形計算で実施可能であり,突然の事象に遅れなく対応できることが期待される.提案アルゴリズムを小型無人機に対して適用し,エルロンの故障及びモーメント外乱が同時に生じる場合の機体応答の数値シミュレーション実施した.H∞コントローラだけの場合と比較をすることで,提案システムを用いることで様々な故障に対して高い性能を達できることを確認した. 2.飛行実験による実証 提案手法を実証する飛行試験を行った.宇宙往還機を模した小型無人機の横・方向運動に対して提案手法で飛行制御系を設計し,設計されたシステムを実装した機体を上空約100mから滑空飛行させることで性能評価をおこなった.(1)外乱オブザーバ,外乱補償器,H∞コントローラを実装した提案システムと,(2)H∞コントローラのみを実装したシステムの飛行試験結果を比較すると,両者とも同程度の振幅で振動しており性能の差は確認できなかった.飛行試験では大きな定常的な外乱が発生していなかったため,提案システムを用いなくても安定な飛行が実現できたことが理由と思われる.
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Research Products
(3 results)