2010 Fiscal Year Annual Research Report
荷電交換再結合分光装置の高速・高精度化と粘性の高いプラズマでの径電場微細構造
Project/Area Number |
20686061
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 進二 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教 (70346055)
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Keywords | プラズマ・核融合 / 荷電交換再結合分光 / エッシェル型レンズ分光器 / プラズマ回転 |
Research Abstract |
プラズマ中の流体としての回転速度の制御は、磁場閉じ込めプラズマの安定性の向上や輸送障壁形成のためには重要な課題である。一方で粘性係数の高いプラズマにおいては回転速度が低いことが見込まれるため、高精度でプラズマ回転速度を計測する装置の開発が求められている。本研究の第一の目標は,粘性係数の高いプラズマで精度良くイオン温度・回転速度(径方向電場)分布を評価するための、高い波長・時間分解能を有する荷電交換再結合分光(CXRS)装置を開発することである。 観測対象とするヘリウムイオン(468.57nm)、および炭素イオン(529.05nm)の波長に特化した分光器(Fナンバー2.9・焦点距離200mm)を制作した(平成20年度)。波長の弁別には前段にプリズム、後段にエシェル型回折格子を用いている。分光器の逆線分散を元素ランプの線スペクトルより求めたところ529.05nmで0.176nm/mm(=0.002.82nm/pix)であった。これは1ピクセルあたりの回転速度の分解能1.6km/sに相当し、当初の目標(分解能1km/s)をほぼ達成した分光器を開発することができた。 実機(ヘリオトロンJ装置)でのNBIプラズマにおいてトロイダル回転速度の計測を行ったところ、空間位置r/a=0.4~0.8の範囲において5msの時間分解能での計測が可能となった。従って今後、コア径の大きな光ファイバーを設置すれば、プラズマ全領域(r/a=0~1)において、より時間分解能の高い計測ができる見込みが得られた。またNBIの入射パワーがある値以上の場合、蓄積エネルギーの急峻な増加と同時に、プラズマ内部でトロイダル回転速度が約2~4km/s順電流方向に変化する現象が観測でき、回転速度の高精度計測が可能となった。
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Research Products
(5 results)