2010 Fiscal Year Annual Research Report
多チャンネル重イオンビームプローブの開発による電位構造形成過程の研究
Project/Area Number |
20686062
|
Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
井戸 毅 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (50332185)
|
Keywords | 重イオンビームプローブ / HIBP / 高エネルギー粒子検出器 / 静電ポテンシャル計測 / 電場計測 / GAM |
Research Abstract |
核融合科学研究所の大型ヘリカル装置(LHD)に導入した重イオンビームプローブ(HIBP)の改良により、従来の手法では測定できなかった高イオン温度プラズマ中の電位分布の直接計測に成功した。これまでの実験研究で、高イオン温度状態になった時にプラズマ中心において不純物イオンの吐き出し現象が見られており、この現象が電場に起因するものかどうかが注目されていた。HIBPによる計測結果に基づき、不純物の吐き出しが見られる領域では弱い負電場が形成されていることを確認し、不純物の吐き出し現象が単純な電場による吐き出しではないという結論を得た。また、計測された電場は新古典論に基づく粒子束の両極性条件によって説明できることを示した。この結果を第37回ヨーロッパ物理学会における招待講演として報告した。また、高速イオン励起モードのプラズマ内部計測にHIBPを適用した結果、プラズマ中心近傍に高速イオン励起測地線音響モード(GAM)に伴う電位揺動を観測した。このモードの空間分布計測を行い、それが電場揺動、つまり流れの揺らぎを伴っていることを初めて明らかにした。また、このGAMに伴う流れの揺らぎにより、微視的乱流を反映していると考えられる密度揺動の周波数スペクトルがGAM周波数で変調されている様子も観測された。この結果は高速イオン励起モードとバルクプラズマの結合を示している可能性もあり、この物理機構については今後引き続き詳細な研究が必要である。上記の結果を第23回IAEA核融合エネルギー会議にて報告した。
|
Research Products
(6 results)