2010 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ウラン触媒と副生成物吸着剤を併用する放射性廃棄物の熱処理法の開発
Project/Area Number |
20686063
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
澤田 佳代 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 准教授 (90372531)
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Keywords | 酸化ウラン / 触媒 / 吸着剤 / 放射性廃棄物 / 熱処理法 |
Research Abstract |
本研究では,低レベル放射性廃棄物の安全な減容化のため,酸化ウラン触媒と副生成物吸着剤を同時に用いた新たな熱処理プロセスを提案する。本処理プロセスでは,ポリ塩化ビニルやグローブ等を含む可燃性・難燃性廃棄物を一括低温熱処理し,発生する気体中の有害な有機系ガスおよび低沸点金属を酸化ウラン触媒とカルシウム吸着剤によって低温分解・除去する.酸化ウラン触媒とカルシウム吸着剤は,シュウ酸を用いて再生し,繰り返し利用する。本研究は,被爆の可能性がある分別作業,二次廃棄物の発生を低減する低レベル放射性廃棄物の減容化処理法の確立を目的とする. 最終年度である平成22年度は,ウランとカルシウムの再生・繰り返し利用について実験的検討を行った。触媒である八酸化酸ウランと吸着剤である水酸化カルシウムの模擬試料を作製し、これをシュウ酸水溶液と混合して模擬試料中に含まれる塩化物イオンを除去した後、固液分離を行って得られた試料を800℃で焼成した。これに純水を加えて消化することで再生した。得られた模擬再生試料のXRD分析により、八酸化三ウランならびに水酸化カルシウムの生成を確認した。模擬再生した試料を用いて225℃でクロロベンゼンの分解を行った結果、八酸化三ウランならびに水酸化カルシウムの混合粉末を用いた場合と同様の分解率が得られた。これらの結果より、ウラン触媒とカルシウム吸着剤を併用することで、クロロベンゼンを効果的に分解することができ、さらにシュウ酸を用いて吸着剤を再生できることが明らかとなった。
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