2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20687001
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
沖 昌也 University of Fukui, 工学研究科, 准教授 (60420626)
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Keywords | ヘテロクロマチン / バウンダリー / 出芽酵母 / ヒストン / サイレンシング / エピジェネティクス |
Research Abstract |
1) スクリーニングにより分離された未知タンパク質の解析 我々は独自に開発したスクリーニングによりヘテロクロマチン領域の伸長を停止させるタンパク質を55個分離した。そのうち、本年度は機能未知のタンパク質であるYCR076c、Gic1に注目し解析を進めた。GFPタンパク質と融合し細胞内局在を観察した結果、核内特異的に存在するタンパク質ではなく、核と細胞質をシャトルするタンパク質であることが示唆された。また、G1期、S期、G2/M期で同調した細胞を用い細胞周期特異的な発現を確認した結果、Ycr076cタンパク質は細胞周期特異的に発現しており、G2/M期には存在しないことが明らかとなった。この結果は、ヘテロクロマチンの伸長停止機構と細胞周期の関与を示唆する興味深い結果である。 2) スクリーニングにより分離された未知タンパク質と生体内における境界形成機構との関与 ycr076c破壊株とgic1破壊株を作成し、出芽酵母ヘテロクロマチン領域の指標となる抗Sir3p抗体を用いクロマチン免疫沈降法を行った。ヘテロクロマチン領域の1つとして知られているHMR領域の左側の境界領域がgic1破壊株で伸長していることが明らかとなった。GIC1が生体内で機能する場所が特定出来たことにより、更に詳細に解析を進めることが可能となり、生体内の境界形成のメカニズム解明に大きな貢献が期待される。また、YCR076CはHMR領域の左側の境界領域形成との関与は見られず、境界形成機構は全て共通のタンパク質による同様のメカニズムではなく、多様性があることが示唆された。
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Research Products
(9 results)