2008 Fiscal Year Annual Research Report
一斉開花型樹木と非一斉開花型樹木の繁殖成功に関する相互作用と適応的意義の評価
Project/Area Number |
20687002
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中川 弥智子 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (70447837)
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Keywords | 熱帯雨林 / 送粉成功 / 種子捕食 / ランビル国立公園 / フタバガキ科 |
Research Abstract |
花・種子生産量が年によって大きく変化する豊凶現象(マスティング)が様々な分類群の樹木で知られており、東南アジア熱帯林では群集レベルで不定期に同調する一斉開花現象が見られる。一方で同所的に分布する樹木の中には、一斉開花の有無に関係なく高頻度で定期的に開花・結実する非一斉開花型樹木も混在するが、一斉開花型樹木と非一斉開花型樹木がお互いの繁殖成功に及ぼす影響については全く知見が得られていない。本研究では、この2グループの樹木間での相互作用に注目して、それぞれの繁殖戦略を評価することを目的としている。20年度は非一斉開花年であったため、頻繁に開花する代表的な樹木の1つであるビワモドキ科のDillenia suffruticosaを材料に、現地調査を行った。まず、調査個体を選定し開花時間を調べたところ、早朝に開花することが分かった。また、その送粉者を観察・捕獲して、ハリナシバチやクマバチが主な送粉者であることをつきとめた。時間別の送粉者相も解明するとともに、詳細な種同定を今後実施する予定である。さらに、結果率・結実率、種子のサイズや発芽率に関する野外データをとった。これらの野外調査を継続するとともに、一斉開花年のデータと比較することで、非一斉開花型樹木が一斉開花年に受ける繁殖成功に関する影響を評価することができる。また、本年度は量的な評価に留まったが、今後は花粉散布距離などから遺伝子流動の違いを評価するなど、質的評価も行う予定である。
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Research Products
(2 results)