2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20687009
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中戸川 仁 Tokyo Institute of Technology, 統合研究院, 特任助教 (90414010)
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Keywords | オートファジー / 細胞内膜動態 / タンパク質分解 |
Research Abstract |
オートファジーは、真核生物に進化的に保存された細胞内成分の大規模な分解系である。オートファジーでは、被分解物を隔離し、分解コンパートメントに輸送するための二重膜小胞であるオートファゴソームの形成が必須である。オートファゴソームの形成は、Atgタンパク質を初めとする多くのタンパク質に支えられるユニークかつ複雑なプロセスである。そのメカニズムを解明するため、本研究では、オートファゴソームの形成に必須な機能未知の因子、Atg2, Atg18, Atg9に焦点を絞り解析を進めている。昨年度までに、密度勾配遠心分離法による解析から、ATG2およびATG18遺伝子破壊株において(両遺伝子産物は複合体を形成して機能することが知られる)、オートファゴソーム膜のマーカー蛋白質であるホスファチジルエタノールアミン結合型Atg8および膜タンパク質Atg9を含む、オートファゴソーム膜の前駆体あるいは中間体と考えられる新規膜構造が蓄積することを見出した。本年度は、蛍光顕微鏡観察により、細胞質を比較的激しく動くドット状の構造体として同膜構造を捉えることに成功した。同膜構造の電子顕微鏡による形態観察のための準備を進めた。さらに、同膜構造に含まれるタンパク質・脂質組成を明らかにすべく、大規模精製系の確立を目指して研究を進めた。引き続き研究を進めることで、オートファゴソームの膜の由来に関する知見が得られること、また、オートファゴソーム形成に関わる新規因子の同定が期待される。
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