2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞移動先端における重層的アクチン細胞骨格制御の研究
Project/Area Number |
20687012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
末次 志郎 The University of Tokyo, 分子細胞生物学研究所, 准教授 (70345031)
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Keywords | 細胞骨格 / 細胞膜 / 細胞運動 / 細胞内情報伝達 / 浸潤 |
Research Abstract |
本研究では細胞の移動先端において、アクチン細胞骨格の再構成がどのような分子機構によって細胞膜の形態変化につながり、移動先端にみられる特徴的な細胞形態を形成する機構に注目してい私たちが見いだしたISRp53は、細胞膜に対する結合能を持ちさらに細胞膜の突起構造をアクチン細胞骨格の再構成によらず誘導することができる。IRSp53は細胞膜の中でも突起構造に限局して局在する。 本年度の研究では、pacsin2の過剰発現が膜の変形によって突起構造を誘導することを見いだした。 IRSp53の場合はIMD/I-BARドメインがその立体構造上の凸面で膜突起の菅構造の内側に局在すること脂質膜の形態を形成する。これに対し、pacsin2はEFC/F-BARドメインを持ち、EFC/F-BARドメインの立体構造上の凹面で脂質膜に結合する。凹面に対応する膜曲率は突起構造の根本の部分に見られる。従ってpacsin2のEFC/F-BARドメインは、突起の根本の膜構造を形成することで、突起形成に関わっていると考えられる。Pacsin2はN-WASPを介してアクチン重合を誘導することから、N-WASPを介したアクチン重合が突起構造を形成する機構を説明できると考えられる。また、pacsin2は他のEFC/F-BARと同じく膜陥入構造も誘導できることから、EFC/F-BARドメインはその立体構造上の凹面で脂質膜と結合することによって多彩な細胞膜の微細構造を形成している可能性を示した。
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