2009 Fiscal Year Annual Research Report
情動的ストレス状況下において「花」が人にもたらす生理的・神経科学的効果
Project/Area Number |
20688001
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
望月 寛子 National Agricultural Research Organization, 花き研究所花き品質解析研究チーム, 主任研究員 (60450318)
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Keywords | ストレスホルモン / 花 / コルチゾール / 内分泌系 |
Research Abstract |
【目的】平成20年度の検証によって、ストレスによる交感神経系の過活動(血圧の上昇)は花の写真を見ることで効率的に抑制されることが明らかとなった。本年度は同様のストレス軽減効果を内分泌系の指標(唾液中に含まれるストレスホルモン:コルチゾール)を用いて検証した。 【方法】健常な18歳以上の男性21名(平均年齢21.4歳)が本実験に参加した。4分の休憩の後に被験者に対して情動的なストレスを与え(恐怖・嫌悪などの不快情動を喚起させる画像を順次8枚提示)、その後に花の写真を見る条件と花以外の写真(花のモザイク写真)を見る条件を設けた。ストレスホルモンである唾液中コルチゾールはイベントの生起から約20分後に最大値を示すことから、実験開始より約20分後(pre)と36分後(post)に唾液サンプルを採取した。 【結果とまとめ】花の写真を提示した条件においてのみストレス生起前(pre)に比べ実験後の値(post)が有意に低下したことが示された(P<0.05)。本研究結果は花を見ることによって得られるストレス軽減効果が内分泌系の働きにも影響を与えることを示唆している。
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