2011 Fiscal Year Annual Research Report
酸素漂白条件下における多糖類およびリグニン分解機構の基礎的解析
Project/Area Number |
20688007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横山 朝哉 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (10359573)
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Keywords | 酸素 / 漂白 / リグニン / 炭水化物 / 多糖類 / 活性酸素種 / 立体配置 / エピマー |
Research Abstract |
酸素漂白過程において問題となる多糖類の分解は、主としてリグニン中のフェノール性部位と酸素との反応によって生成する活性酸素種(AOS)によって引き起こされる。これらのAOSと、パルプ構成成分である多糖類とリグニンとの反応を機構的に解明することが、本研究の目的である。本年度は、糖モデル化合物としてセルロースのモデルであるメチルβ-D-グルコピラノシド(MGPβ)と、MGPのそれぞれアノマー位、C-2位、C-3位、および、C-4位エピマーであるメチルα-D-グルコピラノシド(MGPα)、メチルβ-D-マンノピラノシド(MMP)、メチルβ-D-アロピラノシド(MAP)、および、メチルβ-D-ガラクトピラノシド(MGaP)を用いて、これらとAOSとの反応におけるモデル化合物の立体配置相違の影響について、検討を行った。なお本研究では、フェノール性化合物である2,4,6-トリメチルフェノール(TMPh)と酸素の反応によって、AOSを系中で in situ に発生させた。糖モデル化合物として1種類のみをTMPhと共に酸素漂白条件下で処理し、これらとAOSとの反応について検討したところ、MGPα、MGPβ、MGaP、MMP、そして、MAPの順に分解量が多くなった。特にMAPの分解は、他の化合物よりもかなり激しかった。この結果から、各炭素における立体配置の相違が、これら糖モデル化合物とAOSとの反応に大きな影響を及ぼすことが明らかとなった。MGPβと共にもう1種類計2種類の糖モデル化合物をTMPhと共に処理したところ、MMPの存在のみが共存するMGPβの分解を促進したが、これ以外の化合物の存在はMGPβの分解に大きく影響しなかった。MGPβ以外のモデル化合物から見ると、MGPβの存在はMMPの分解を促進し、MGaPの分解は抑制し、そして、MGPαとMAPの分解には影響しなかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(14 results)