2008 Fiscal Year Annual Research Report
脊椎動物由来味覚受容体タンパク質を基盤にした呈味物質センサーの創出
Project/Area Number |
20688015
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三坂 巧 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (40373196)
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Keywords | 食品 / 遺伝子 / 味覚 / 受容体 |
Research Abstract |
近年、味物質を受容するいわゆる味覚受容体の実体が明らかとなった。そのうち甘味や旨味の受容体はGタンパク質共役型受容体であり、細胞外領域が大きいTIRファミリーのヘテロダイマーにより構成される。本研究においては、甘味・旨味受容体タンパク質を利用した「呈味物質センサー」を創出することを試みる。受容体タンパク質を発現生産し、固定化したチップを用いた相互作用の検出や分光学的な手法により受容体と呈味物質との結合を検出することで、呈味物質センサーとして機能するかを検証する。 本年は脊椎動物に由来する甘味受容体のサブユニットの細胞外領域について、大量発現系の構築を試みた。外来タンパク質を多量に発現させることが可能な昆虫細胞発現系を用い、バキュロウィルス感染により大量発現を試みた。TIRサブユニットの細胞外領域(N末端500アミノ酸残基程度)に精製用タグ配列(His、 FLAG、 Myc)を付加した変異体をデザインし、 Bacmidを作製後、 Sf9細胞に遺伝子導入しバキュロウィルスを作製した。その後、昆虫細胞(HighFive)に感染させ、培地中への分泌生産を行った。リコンビナント受容体タンパク質について、培地中への分泌生産が確認されたので、ニッケルカラム・抗体結合カラムを用いて精製を行った。その結果、Hisタグ付加タンパク質については、還元条件下SDS-PAGE後の銀染色において、ほぼ単一のバンドが検出される程度の精製度にまで精製することが可能となった。今後、大量発現を行い、必要量のリコンビナントタンパク質の獲得を行う。
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Research Products
(3 results)