2009 Fiscal Year Annual Research Report
骨破壊性疾患における非ヒストンタンパク質のメチル化修飾の意義
Project/Area Number |
20689007
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
古賀 貴子 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 特任助教 (90451905)
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Keywords | 骨代謝疾患 / 転写因子 / 翻訳後修飾 / 破骨細胞 / タンパク質メチル化酵素 |
Research Abstract |
1.本年度は、昨年度に作成したPRMT5 Floxマウスと破骨細胞特異的にCreリコンビナーゼを発現するトランスジェニックマウスとの交配を行い、コンディショナルノックアウトマウス(cKO)の作成を進めてきた。まず、PRMT5を全身で欠損するマウスの作成を試みたが、PRMT5-/-マウスは誕生しないことから、PRMT5はマウスの発生に必須の役割を果たすことを見出した。次に、破骨細胞の前駆細胞の段階でPRMT5遺伝子の組み換えを誘導するPRMT5 cKOマウスと破骨細胞分化過程においてPRMT5遺伝子の組み換えを誘導するPRMT5 cKOマウスを作製した。これらのマウスの骨構造解析を単純X線撮影とマイクロCTを用いて行った。現在、雌雄差および週令差を含めた解析を計画しており、サンプル数を確保するために交配を進めている。一方、他のPRMTサブクラスに属するPRMT4欠損マウスの胎児骨組織解析およびin vitroでの破骨細胞分化を解析した結果、異状はみられなかったことから、PRMT5が他のPRMTファミリータンパクにない特異的機能を持つことが示唆された。2.PRMT5と同じサブタイプに属するPRMT7はNFATc1の転写活性を正に制御することをレポーターアッセイにより明らかにした。3.PRMT5の破骨細胞分化過程における細胞内局在を検討し、核にも存在するが、細胞質にも存在していることが見出され、タンパク質メチル化修飾がNFATc1の核移行に作用する可能性を示唆する結果を得た。4.PRMT5をレトロウィルス発現法により破骨細胞に過剰に導入し、破骨細胞分化を検討したが、影響を与えなかった。このことは、タンパクのメチル化修飾がアミノ酸配列によって厳密に制御を受けているためと考えられるので、22年度のNFATc1におけるメチル化修飾を受けるアミノ酸残基を同定する必要性を支持するデータであると考えている。
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Research Products
(6 results)