2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20689012
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
堀 昌平 The Institute of Physical and Chemical Research, 免疫恒常性研究ユニット, ユニットリーダー (50392113)
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Keywords | 免疫制御 / 免疫抑制 / 制御性T細胞 / 免疫疾患 / 転写因子 / 遺伝子発現制御 / 網羅的遺伝子発現解析 / 細胞分化 |
Research Abstract |
(1)Foxp3による制御T細胞分化・機能の釦機構の解明 : IPEX患者に見つかっているFoxp3遺伝子変異に着目し、代表的な点変異3種を独立に導入したノックインマウスを作梨し、制御性T細胞分化、機能、遺伝子発現に与える変異の影響を解析した。その結果、作製した変異マウスは全て多臓器性自己免疫疾患を発症し変異とIPEXの間の因果関係を証明した。また、Treg分化について解析した結果、2種類の点変異はTreg.(Foxp3+CD4+T細胞)の分化に影響を与えたが、1つの点変異は影響を与えなかったこと。このことから、後者の変異はTregの機能に選択的に影響を及ぼすと考えられた。網羅的遺伝子発現解析によりこの変異により発現が影響を受ける少数のFoxp3標的遺伝子を同定した。これらのなかに抑制機能に重要な機能分子が存在すると考えられたため、これら遺伝子のcDNAをクローニングし機能解析を進めた。 (2)Fox 3の発現維持機構の解明 :正常個体から単離したFoxp3+CD+T細胞におけるFoxp3発現の安定性を検討し、これらは不均一な集団であり、Foxp3を家定に発現するコミットされたTregと、Foxp3発現を消失してヘルパーT細胞に再分化する能力を保持した可塑的な亜集団からなることを明らかにした。そして、後者においてのみFoxp3の発現維持にTGF-βが必須であり、IL-4, IL6, IL-21など他のサイトカインシグナルに反応してFoxp3発現を消失しヘルパーT細胞に再分化することを明らかにした。また、これら過疎的な集団が腸管パイエル板においてIgA産生を誘導する濾胞性BヘルパーT細胞へ分化することを示し、これらヘルパーT細胞の新たな分化経路を明らかにした。
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