2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20689012
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
堀 昌平 The Institute of Physical and Chemical Research, 免疫恒常性研究ユニット, ユニットリーダー (50392113)
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Keywords | 免疫制御 / 免疫抑制 / 制御性T細胞 / 免疫疾患 / 転写因子 / 遺伝子発現制御 / 網羅的遺伝子発現解析 / 細胞分化 |
Research Abstract |
1, Foxp3による制御性T細胞分化・機能・恒常性維持機構の解明:IPEXを引き起こすFoxp3遺伝子変異(I363V, A384T, R.397W)を独立に導入したシックインマウスを解析し、I363v, r397WマウスにおいてはTregの胸腺内分化、抑制機能、恒常性維持全てが障害されることを見出した。一方、A3841マウスにおいてはTregの胸腺内分化、in vitroにおける抑制機能は正常であり、末梢における恒常性、特にTCR刺激依存的増殖応答に選択的な障害が認められた。そして、A384T Tregにおいて発現が脱抑制されている遺伝子を同定し、これを野生型Tregに導入するとA384T Tregと同様の増殖阻害を引き起こすことを見出した。以上の結果からこの遺伝子の脱抑制がTregの増殖異常の原因と想定された。 2, Treg分化の可塑性:正常個体において一過的にFoxp3を発現する不安定な集団が存在するかを明らかにしその性状と機能を解析する目的で、Foxp3遺伝子座にEGFP-Cre融合蛋白を導入し、これをCreレポーターマウスと交配させてFoxp3+T細胞のfate mappingを行った。その結果、Foxp3を発現した歴史を持つCD4 T細胞のうち約10-20%がFoxp3陰性であること、それらが様々なサイトカインを産生するeffector/memory T細胞としての性質を有することを見出した。さらに、これら一過的にFoxp3を発現する細胞の起源を解析し、胸腺内分化過程で一過的にFoxp3を発現するステージが存在すること、しかしながら末梢に移出された胸腺由来Tregは極めて安定なFoxp3発現を示すことを見出した。一方、末梢において誘導されるFoxp3発現は不安定であり、容易に失われることを明らかにした。
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