2009 Fiscal Year Annual Research Report
磁気検出法を用いた高速・高感度な定量的免疫検査法の開発
Project/Area Number |
20689013
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Research Institution | Nagasaki International University |
Principal Investigator |
隈 博幸 Nagasaki International University, 薬学部, 講師 (40435136)
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Keywords | 磁気検出法 / 磁気ナノマーカー / 臨床検査 / 免疫検査 / ナノデバイス |
Research Abstract |
平成21年度は、これまで開発してきた磁気ナノマーカー、SQUID磁気検出装置によるホモジニアスアッセイの試みとその最適条件の検討を行った。 具体的には、モデル蛋白質(IgE,IL-8,TSH)の血中濃度測定と、カンジダ菌の定量についての条件検討を行ったが、カンジダ菌の定量については、昨年度末期と同等(約300個)の検出感度しか得られなかった。IgE,IL-8については、固相法と同等のアトモルレベル(10^<-18>モル)の検出感度が得られたが、TSH(副甲状腺刺激ホルモン)については、その100分の1程度であった。この原因としては、1)抗体の相性、2)マーカーの分散性、等々の原因が考えられる。現在その理由を物理化学的分子挙動の面から探っているところであるが、現在のところ、マーカーを分散させるために行っている超音波処理により、磁気ビーズ表面の高分子ポリマーが剥がれているということが示唆されており、さらに詳細な実験を行っているところである。これは二次抗体やストレプトアビジンといった、いわゆるレポーターとしての蛋白質がマーカー表面から脱離することにより、抗原との結合が弱くなっていると考えられる。この現象が回避されれば、実用的なシステム開発の条件面をほぼクリアできると考えられるので、本課題の解決が急務であり本年度の大きなテーマとなっている。 また、この2年間の間に開発した定量的測定手法については、ほぼ完成されており、30分以内でのモデル蛋白質の再現良い検出がIgEで示された。この成果は、Clin Chem Lab Medに論文として投稿し、採択の返事を得ている(2010年9月号に掲載予定)。
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Research Products
(4 results)