2010 Fiscal Year Annual Research Report
磁気検出法を用いた高速・高感度な定量的免疫検査法の開発
Project/Area Number |
20689013
|
Research Institution | Nagasaki International University |
Principal Investigator |
隈 博幸 長崎国際大学, 薬学部, 講師 (40435136)
|
Keywords | 磁気検出法 / 磁気ナノマーカー / 臨床検査 / 免疫検査 / ナノデバイス |
Research Abstract |
免疫検査法は、抗体の抗原に対する特異的な結合を利用したアッセイ法であり、臨床検査においては最もメジャーな物質検出法の一つである。抗原に結合した抗体の検出法としては、古くは放射性物質を利用したRIA法から、現在における酵素免疫法、化学発光物質を用いた方法、ラテックス凝集法と、より安全で高感度を目指した手法へと変化を続けており、現在も新しい分析手法の研究開発が世界中で行われている。本研究では、磁気を発生する微粒子(磁気マーカー)と磁気検出装置の組み合わせによる高感度なホモジニアスアッセイの開発に関する研究である。 最終年度である22年度は、これまで開発してきた要素技術の組み合わせによる、モデル標的物質のホモジニアス検出実験と、その結果浮かび上がった問題点の解消による、最終的な実験系の確立を行い、本手法が有効であることの証明を行った。具体的には、1)分散性・結合性のよいマーカーの新規開発(日立マクセルと共同)、2)TSH(甲状腺刺激ホルモン)・pTH(副甲状腺ホルモン)の測定限界の向上、3)抗原抗体反応における各種物理定数の測定、である。 このうち、1)マーカーについては免疫検査に適した微粒子の作製と安定した磁界を持つ(ロット間差のない)製造法が開発できた。また、2)については現行の測定限界(0.003μIU/ml)と同程度の感度を示すことができた(論文作成中)。今後知的財産権を取得するために、さらなる感度向上をめざして測定物質の普遍化と条件設定を検討する必要があるが、一定の成果を示すことができたと考えている。
|
Research Products
(5 results)