2010 Fiscal Year Annual Research Report
地域住民の各種肝疾患の有病状況と重症度の修飾要因に関する分子疫学研究
Project/Area Number |
20689014
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
原 めぐみ 佐賀大学, 医学部, 助教 (90336115)
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Keywords | 疫学 / 肝疾患 / 生活習慣 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
佐賀市民約12,000人のコーホート(J-MICC Study佐賀地区)のベースライン調査のデータを用いて各種肝疾患の有病率や重症度に関連する要因を明らかにするために横断研究を実施した。昨年度ELISA kitを用いて測定した総アディポネクチン、および高分子アディポネクチン、IL-6、TNF-αの値を整備し、データを増やした状態の2,176検体分で、肝機能との関連の検討を行った。ウイルス肝炎群(HBsAg(+),HCVCO≧30)、非アルコール性肝障害群(AST,ALT上昇(AST>40,ALT>40,GGT>30(女),>70(男)),アルコール飲まない、または日本酒1合/日未満)、アルコール性肝障害群(AST,ALT上昇アルコール日本酒1合/日以上)に分類し、肝障害の程度とアディポサイトカイン濃度との関連を検討した。非アルコール性肝障害およびアルコール性肝障害の重症度とアディポネクチンは負の関連が、IL-6、TNFαは正の関連が認められた。また、これらの関連は腹囲、BMI,体脂肪率の影響を補正しても同様であった。非ウイルス性肝障害の重症度には肥満の程度と独立してアディポネクチン濃度が関与する可能性があることから、肥満と遺伝的素因の交互作用の存在が示唆された。そこでインスリン抵抗性による肝障害の進展について着目し、遺伝的素因を含めた検討をするために、PPARG遺伝子のPro12Ala多型について文献的検討と基礎的解析を進めた。
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