2008 Fiscal Year Annual Research Report
敗血症特異的に応答するケモカインシステムの検索とその法医診断学への応用
Project/Area Number |
20689015
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
石田 裕子 Wakayama Medical University, 医学部, 講師 (10364077)
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Keywords | 敗血症 / 法医診断学 / ケモカイン / マウス / cecal ligation and puncture |
Research Abstract |
1. マウス敗血症モデルの作製 8〜12週齢の野生型マウス(C57BL16)を用いて, 盲腸結紮穿刺(cecalli gation and puncture : CLP)手術を施し腹膜炎誘発敗血症を惹起した. 具体的には, 開腹したマウスの腹腔内より盲腸を取り出して盲腸根部を3-0縫合糸で結紮後, 20ゲージ注射針で盲腸壁全層を穿刺した. 結紮穿刺した盲腸は腹腔内に戻して閉腹した. 2. 生存率の検討 CLP手術後, 12時間ごとにマウスを観察して生存率を検討したところ, 7日目までに約35%が死亡した. 3. 血液生化学検査 CLP手術後, 経時的に血液を採取してALT, AST, BUN, およびクレアチニンを測定したところ, いずれもCLP手術6時間以降において著明に上昇しており,肝臓および腎臓が著明に障害されていることが明らかとなった. 4. サイトカイン・ケモカインのタンパク発現の検討 4. サイトカイン・ケモカインのタンパク発現の検討 CLP手術後, 経時的に採取した腹腔洗浄液を用いて, 種々のサイトカイン・ケモカイン濃度をELISA法で測定したところ, IL-1β, TNF-α, CCL3, およびCX3CL1がいずれも著明に増加していることが判明した. 5. ケモカインレセプターの遺伝子発現の検討 上記「4」の実験結果に基づき, CI、P後増加が認められたケモカイン(CCL3ならびにCX3CL1)に特に着目し, それらのレセプター(CCR1, CCR5, ならびにCX3CR1)発現について検討を加えた. CLP後経時的に採取した腹腔洗浄液より得られたcell pelletからRNAを抽出し, RT-PCR法により各ケモカインレセプターの遺伝子発現を検討したところいずれも著明に亢進していた. したがって, マウス敗血症モデルにおいて, CCL3-CCR1/CCR5およびCX3CL1-CX3CR1ケモカインシステムが重要な役割を果たしていることが示唆された.
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Research Products
(1 results)