2010 Fiscal Year Annual Research Report
Sec63コンディショナルノックアウトマウスを使用した腎嚢胞、肝嚢胞の解析
Project/Area Number |
20689017
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西尾 妙織 北海道大学, 病院, 助教 (90463736)
|
Keywords | 常染色体優性多発性嚢胞腎 / 常染色体優性多発性肝嚢胞 / Sec63 / 細胞増殖 / アポトーシス / Pkd2 / Pkd1 |
Research Abstract |
常染色体優性多発肝嚢胞(ADPLD)の疾患モデルでマウスであるSec63コンディショナルノックアウトマウスの解析を行っている。昨年までの結果でSec63^<lox/lox>:ksp-creマウスの腎臓をウエスタンブロッティングで解析を行ったところ、ノックアウトマウスの腎臓でADPKDの原因遺伝子であるPkd2の遺伝子産物であるポリシスチン2の発現が低下していることが示された。それ以外の膜蛋白(Na-K ATPaseなど)についても解析したが、発現が低下していたことから、Sec63がノックアウトされることで膜蛋白のフォールディングがうまくいかず、ADPKDや常染色体劣性遺伝性多発嚢胞腎の原因遺伝子であるPkd1、Pkd2、PKHD1などの遺伝子の発現が低下することで腎嚢胞、肝嚢胞が形成されるのではないかと考えた。そこでSec63コンディショナルノックアウトマウスとPkd1コンディショナルノックアウトマウスを交配し、遺伝子の濃度により表現型が変化するかを確認した。Sec63^<lox/lox>:ksp-creマウスが最も表現型が軽く、Sec63^<lox/lox>Pkd1^<lox/+>:ksp-creマウス、Sec63^<lox/+>Pkd1^<lox/lox>:ksp-cre、Sec63^<lox/lox>Pkd1^<lox/lox>:ksp-creの順に表現型は強くなった。通常Pkd1^<lox/+>:ksp-creマウスは嚢胞が形成されないが、Sec63がノックアウトされることで、表現型が強くなっており、嚢胞形成はPkd1の濃度依存的であることが証明された。これはADPLDの嚢胞形成機序の一つとして非常に重要である。
|
Research Products
(5 results)