2008 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪・骨格筋細胞におけるAMPK関連因子の代謝調節作用と病態生理学的意義
Project/Area Number |
20689018
|
Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
鈴木 敦 National Institute for Physiological Sciences, 発達生理学研究系, 特任助教 (50418993)
|
Keywords | ARK5 / AMPK / 脂肪細胞 / 肥満 / 糖尿病 / 代謝ストレス / 炎症 / 細胞生存 |
Research Abstract |
ARK5の脂肪細胞に関する研究 マウス・ヒト共に、肥満に伴い、脂肪組織でARK5の発現が亢進することを見いだした。そこで、脂肪細胞におけるARK5の機能を解析するため、dominant negative-ARK5(dnARK5)を脂肪細胞特異的に発現するトランスジェニック(TG)-マウスを作成した。高脂肪食を与えたところ、TGマウスは高脂肪食摂取による体重増加、脂肪肥大および血糖値上昇が認められなかった。さらに脂肪組織では、インスリン抵抗性にも関与する炎症性サイトカインの発現が亢進しておらず、著しく細胞死が亢進していた。培養細胞系(3T3-L1)を用い、同様にdnARK5を恒常的に発現させたところ、炎症性サイトカインや代謝ストレス(低酸素および低グルコース状態)に対する耐性が非常に弱いことを見いだした。マウス・培養細胞共に、ARK5の機能が抑制され、細胞反応が亢進する際に、細胞死抑制因子FLIPの発現が低下していた。肥満に伴い発現が亢進するARK5はFLIP発現を介して脂肪細胞を保護し、細胞生存活性を高めることで脂肪組織肥大を亢進している可能性が明らかとなった。
|