2008 Fiscal Year Annual Research Report
17型コラーゲンの分子イメージングによる水疱性類天疱瘡の病態メカニズムの解明
Project/Area Number |
20689021
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西江 渉 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 非常勤講師 (20443955)
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Keywords | 生体分子 / 細胞・組織 / タンパク質 / 酵素 / 応用動物 |
Research Abstract |
本研究の目的は、自己免疫性水疱症の中で最も患者数の多い水疱性類天疱瘡(bullous pemphigoid ; BP)の病態メカニズムを解明する事である。その手法として、BPの自己抗原であり表皮基底細胞ヘミデスモゾーム構成分子の1つのXVII型コラーゲン(COL17)を分子イメージングするという方法を計画した。本研究により、マウス皮膚へ分子イメージング化したヒトCOL17を導入しBP患者自己抗体がCOL17分子へ結合した際のCOL17分子の動態を直接視覚的に捉えることができると、BP患者自己抗体によるCOL17に対する直接的病原性有無の解明のほか、自己抗体により切断されたCOL17断片の生理学的機能などが明らかとなる。平成20年度は、COL17イメージングのためのcDNAコンストラクト作成を行い、EG5FP、DsRed,をCOL17 cDNAN末端およびC末端側に組み込みそれぞれ2種類のコンストラクトを作成した。作成したこれらのCOL17イメージングベクターを、HEK293細胞へ遺伝子導入した結果、細胞質内に加え膜タンパクとしてのGFP融合タンパクの発現を確認した。これは、今後の研究を進める上で非常に重要な結果である。更にEGFPをDsRedに変更したコンストラクトも同様に2種類作成し解析中である。次に、各種ベクターを種々の方法でCol17ノックアウトマウス培養表皮細胞へ遺伝子導入を試みたが、遺伝子導入効率は極めて低いものであった。これは表皮細胞が、遺伝子導入が最も困難な細胞の一つであるためであり、そのため、Col17ノックアウトマウス培養表皮細胞へのCOL17イメージングベクター導入する目的で、エレクトロポレーションによる遺伝子導入をすすめている。これまでin vitroにおいてもCOL17タンパクのイメージング化に成功した報告はない。従ってこれらの研究成果は平成21年度以降の研究を進める上で非常に有用であると考えている。
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