2009 Fiscal Year Annual Research Report
17型コラーゲンの分子イメージングによる水疱性類天疱瘡の病態メカニズムの解明
Project/Area Number |
20689021
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西江 渉 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 非常勤講師 (20443955)
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Keywords | 生体分子 / 細胞・組織 / タンパク質 / 酵素 / 応用動物 |
Research Abstract |
本研究は、水疱性類天疱瘡(bullous pemphigoid ; BP)の自己抗原であるXVII型コラーゲン(COL17)を分子イメージングする事により、BPの病態解明を行うものである。平成21年度は、EGFPあるいはDsRedを全長および種々の大きさのCOL17遺伝子のアミノ末端あるいはカルボキシ末端へ結合させ、培養細胞(COS7細胞)に導入し発現を検討した。その結果、DsRedをアミノ末端へ結合した場合においてCOL17が膜タンパクとして発現可能であることを確認した。この結果は、COL17の細胞内領域の動態を直接把握することが可能となった事を示している。細胞外領域については、切断されたCOL17の切断部位特異抗体を作成出来し、分子イメージングされたCOL17の細胞外領域を特異抗体により同定することも可能となった。現在、エレクトロポレーションを用い、COL17ノックアウトマウス培養表皮細胞への遺伝子導入を試みている。平成22年度は、分子イメージング化COL17を導入したマウス表皮細胞へBP患者自己抗体を投与し、COL17分子へ抗体が結合した際のCOL17の動態を直接視覚的に捉える予定である。また、平成21年度では、新しいマウスのBPモデルを作成し(Nishie W, et al. Journal of Immunology 183 ; 4088, 2009)、BP患者抗体に加え新しいBPのマウスモデルを用いた解析もすすめる。更に、分子イメージング化COL17がマウス表皮細胞でも機能することを確認したのち、イメージング化COL17 cDNAを導入したトランスジェニックマウス作成を開始する。これまでin vivoのみならずin vitroにおいてもCOL17タンパクのイメージング化に成功した報告はなく、本研究によりBPの病態解明が大きく進むことが期待できる。平成21年度に得られたこれらの研究成果は、平成22年度移行も引き続きの研究を進める上で非常に有用である。
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