2010 Fiscal Year Annual Research Report
精神疾患患者死後脳における体系的遺伝子発現変動のゲノム要因の統合的解析
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20689022
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
岩本 和也 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (40342753)
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Keywords | エピジェネティクス / DNAメチレーション / 統合失調症 / 双極性障害 |
Research Abstract |
これまで、アメリカ・スタンレー財団より供与された精神疾患(統合失調症、双極性障害、大うつ病)および健常者の死後脳前頭葉試料(BA46野、計約100例)を用い、一塩基多型(SNP)、コピーナンバー多型(CNV)、およびDNAメチレーションパターンについて網羅的データの入手とデータ間の統合を試みてきた。本年度では、同定したSNPおよびCNVの遺伝子発現に対する影響を統計的に検討し、eSNP(遺伝子発現に影響を与えるSNP)、及びeCNVの同定を行った。また、遺伝子発現状態に影響を与えるメチル化領域(eDMR)の同定を行った。得られたデータに関しては、スタンレー財団などを通し、利用可能な状態にある。 また、応用例として、現在までに大規模なGenome-wide association study (GWAS)が報告されていることから、これらのデータを利用し、GWASの結果とeSNPとの共通点を探る研究を行った。Wellcome trust case control consortiumのデータを用い、双極性障害との関連を調べたところ、AKAP10およびPRKC遺伝子上にあるSNPが、脳内におけるそれぞれの遺伝子の発現状態に大きな影響を与え、かつ疾患と有意に相関していることを明らかにした。今後、統合失調症や他の精神疾患を始め、多くの脳神経系疾患において、eSNP,eCNV,eDMRを利用した解析が行われることが期待される。
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