2008 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子HIF2Aによる軟骨細胞の発生・分化の制御機構の解明
Project/Area Number |
20689028
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齋藤 琢 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 特任助教 (30456107)
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Keywords | 軟骨細胞 / 軟骨内骨化 / 転写因子 / HIF2A |
Research Abstract |
HIF2Aのヘテロノックアウトマウスの解析において、代表的な軟骨基質分子である2型コラーゲン、アグリカンの発現が低下していることが明らかとなった。軟骨系細胞株を用いた検討でもHIF2Aがこれら基質分子の発現を誘導すること、さらにこれら基質分子の転写開始点近傍にHIF2Aの応答領域が存在することを、プロモーター解析、EMSA、ChIP解析によって解明した。軟骨分化のマスター分子SOX9については、HIF2AがSOX9プロモーターを活性化することまでを解明した。 またISH法、IHC法による経時的な発現パターンの解析では、HIF1Aが初期分化段階でやや優位に発現するのに対し、HIF2Aは後期分化段階で優位に発現していることが明らかとなった。HIFのβユニットに属するARNT, ARNT2はほぼ一様に発現し、ARNTL, ARNTL2は後期に優位に発現していた。 HIF2Aノックアウトマウスの解析では、ヘテロノックアウトマウスにおいて肥大軟骨細胞層が拡大し、骨組織への置換が遅れる傾向があることが明らかとなった。特にMMP13、VEGFの発現レベルがin vivoでも低下し、さらに血管進入の遅延、石灰化の遅延が明らかとなった。MMP13、VEGFがHIF2Aの直接の転写標的であることは既に確認済みであるが、ノックアウトマウスから採取した初代軟骨細胞を用いた検討でも肥大分化後期におけるMMP13、VEGFの発現はHIF2A依存性であることが明らかとなり、これらのシグナル経路がin vivoでも重要であることが確認された。
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Research Products
(11 results)