2010 Fiscal Year Annual Research Report
汎用的なネットワーク設計問題に対するアルゴリズムの研究
Project/Area Number |
20700008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福永 拓郎 京都大学, 情報学研究科, 助教 (60452314)
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Keywords | 組合せ最適化 / グラフ分割 / ネットワーク設計 / 劣モジュラ関数 / 線形計画 |
Research Abstract |
昨年度から進めてきた様々なグラフ,ハイパーグラフ,劣モジュラシステム分割問題についてさらに調査を行った.特に,対称な劣モジュラ関数によって定義された劣モジュラシステムの分割問題について,グラフ分割問題に対する既存の手法がどのような結果を与えるか,どのような問題が残されているかなどの調査・整理を行った. また,点重み,辺コストを持つ木において新たな分割問題を定義し,アルゴリズムを提案した.この問題では,指定された値以上(もしくは以下)の重みの点を木から取り除く際の最小コスト分割(もしくは最大コスト分割)を求める.ナップサック問題のような問題に木構造を取り入れて拡張したかたちとなっており,ナップサック問題において複数のアイテムを購入する際には値段が割り引かれるなどの効果を定式化できるような問題となっている.提案アルゴリズムは動的計画法などの手法を用いて設計されており,少ない計算量で解を計算するという特徴を持っている. さらに,点連結度の制約を持つネットワーク設計問題についても研究を行った.ネットワークの各ノードが点連結度の要求をそれぞれ持つ供給点配置問題の一種をネットワーク設計問題の特殊ケースとして定式化し,線形計画の反復丸めの手法を用いて新たな近似アルゴリズムを提案した.またその過程で,供給点配置問題について既存の近似アルゴリズムを拡張する新たな結果も得た.本研究で得られた線形計画問題の端点解の性質は,ネットワーク設計問題に対するアルゴリズムを設計する上でも役立つと期待できる.
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Research Products
(7 results)