2008 Fiscal Year Annual Research Report
計算困難な組合せ問題に対するアルゴリズムの設計と解析
Project/Area Number |
20700011
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
玉置 卓 Kyoto University, 情報学研究科, 助教 (40432413)
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Keywords | 計算量理論 / アルゴリズム理論 / 厳密アルゴリズム / 充足可能性問題 / 計算困難性 / 彩色問題 / グラフ理論 / 証明の複雑さ |
Research Abstract |
実用上重要な組合せ最適化問題の多くは, NP困難と呼ばれる計算困難なクラスに属している. これらの問題に対する既知の厳密アルゴリズムは, 全て指数時間アルゴリズムであり, 実用上の観点からは使用に耐えないことが多かった. しかし, 近年の計算機の高速化とアルゴリズム設計における理論の発展により, 厳密アルゴリズムが適用可能な場合が増えており, より高速な厳密アルゴリズムの設計が要請されている. 本研究では, 計算困難な最適化問題の代表として, 論理式の充足可能性問題とグラフの彩色可能性問題を取り上げ, 高速なアルゴリズムの設計と解析, および高速化の限界に関する研究を行う. 以下, 代表的な結果てあるHajos Calculusの計算複雑さを例に成果を述べる. Hajos Calculus(以下HC)はルールに基づいてk彩色不能なグラフを生成する系である. HCは任意のk彩色不能なグラフを生成可能であり, 生成される全てのグラフはk彩色不能である. HCによるグラフの生成はk彩色不能性のNP証明とみなすことができる. 本研究では, HCを平面グラフに限定したPHCと呼ばれる系の証明能力はExtended Frege Systemの証明能力と等価であることを示した. Extended Frege Systemは充足不能性問題に対する強力なアルゴリズムであり, その能力の限界がよく解明されていないが, 本結果によりグラフ理論的アプローチによる解析が可能となった.
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Research Products
(5 results)