2008 Fiscal Year Annual Research Report
膜計算モデルにおける基本演算アルゴリズムに関する研究
Project/Area Number |
20700013
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤原 暁宏 Kyushu Institute of Technology, 大学院・情報工学研究院, 准教授 (10295008)
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Keywords | 膜計算 / アルゴリズム / ナチュラルコンピューティング |
Research Abstract |
本研究では, 膜計算における算術演算や論理演算を実行するための基本的なデータ構造の提案とともに, このデータ構造を用いた様々な基本演算に対して効率のよいアルゴリズムの提案を行っている。平成20年度に関しては, 以下のような成果を得た. 1. 数値データを表現するデータ構造の提案 膜計算に関する既存の研究は, NP完全問題のような計算困難な問題に対する全解探索を基本とするアルゴリズムが多く, 数値データを扱うアルゴリズムは数が少ない. また, 数値データを扱うアルゴリズムでも, そのほとんどにおいて, 数値データはオブジェクトの個数(つまり1進数表現)で表現されている. 本研究では, 1つのデータを複数のオブジェクトを用いて2進数として表現するデータ構造を提案した. この提案データ構造を用いることにより, n個のmビットの2進数を, 0(mn)個のオブジェクトを用いて表現できる様になった. 2. 膜計算における基本演算アルゴリズムの提案 上記(1)にて提案したデータ構造を用いて表された数値データに対して, 定数ステップで論理演算や算術演算といった基本的な演算を行うアルゴリズムの提案を行った. 本年度に提案を行ったアルゴリズムは, 以下の通りである。 (1)mビットの入力に対して定数ステップで論理演算, 及び, 2つのmビットの2進数に対して定数ステップで加算を実行するアルゴリズム (2)0(m)個のオブジェクトにより表された2進数のデータに対して, 挿入, 探索, 削除といった辞書演算を定数ステップで実行するアルゴリズム
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