2009 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワークの動的再構成能力が並列計算モデルへ与える影響についての研究
Project/Area Number |
20700014
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
松前 進 佐賀大学, 工学系研究科, 准教授 (60324828)
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Keywords | 並列アルゴリズム / プロセッサアレイ / メッシュ結合型並列計算機 / 再構成可能バス |
Research Abstract |
本度は、前年度に引き続き、再構成メッシュのうち基本ネットワークトポロジが行・列方向のみに制限された3つのサブモデルMSB(mesh with separable buses), MMPB(mesh with multiple partitioned buses), MPB(mesh with partitioned buses)をベースに相互模倣アルゴリズムを研究し、前年度の結果を改善することができた。 これまでに得られていた知見としては、1.特殊な仮定を用いればMSBの任意の1ステップをMPBで0(log n)ステップで模倣可能、2.特殊な仮定を用いなければMSBの任意の1ステップをMPBで0(log^2 n)ステップで模倣可能、というものであった。2.は前年度に得られた結果である。このように、特殊な仮定を用いない場合0(log n)ステップという余分なコストが、模倣に必要であった。本年度の研究では、特殊な仮定を用いなくとも、MSBの任意の1ステップをMPBで0(log n)ステップで模倣可能であることを示した。本模倣アルゴリズムのポイントは、模倣ステップをパイプライン化することによって、全体コストをおさえるというものである。改良前のアルゴズムのコストが0(log^2 n)であることを考えると、そのコストから0((log n)の余分なコストを削減できたことの意義は大きい。また、特殊な仮定が不用になった点も重要である。 なお、本結果についての最適性は未だ示されていないため、最適性についての研究の余地が残っている。
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