2009 Fiscal Year Annual Research Report
オープンソースコミュニティを対象としたコーディネーション分析技術の開発
Project/Area Number |
20700028
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
大平 雅雄 Nara Institute of Science and Technology, 情報科学研究科, 助教 (70379600)
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Keywords | オープンソース / コミュニティ / コーディネータ / 社会ネットワーク分析 / ソシオメトリクス / コミュニティ媒介性 |
Research Abstract |
本研究の目的は,オープンソースソフトウェア(OSS)開発コミュニティにおける協調作業の成否に大きな影響を及ぼすコーディネーション(協調作業を円滑に行うための調整)行動を分析するための分析技術を開発することである.具体的には,(1)コーディネータ(コーディネーションに頁献する人物)の特定するためのデータ解析技術,(2)コーディネータがコミュニティ参加メンバを媒介する能力を数値化するための指標の開発,(3)コーディネータの媒介能力がOSS開発及びコミュニティヘ与える影響の度合(生産性,信頼性,コミュニティの持続的成長など)を数値化する分析技術及び分析ツールを開発することである.今年度は下記の研究・開発を実施した. (1)分析ツールの改良 前年度開発した分析ツールを,実際のOSSコミュニティのアーカイブデータに適用することで,追加・修正すべき機能を洗い出しツールの改良を行った.開発したツールは近く公開することを予定している. (2)コーディネータの媒介能力がOSSコミュニティに与える影響の分析 前年度構築した「コミュニティ媒介性指標」とコミュニティの活動状況との関係を分析した.具体的には,(2-1)「コミュニティ媒介性指標」に基づきコーディネータの媒介能力を分析ツールにより算出する.(2-2)OSS開発の生産性や信頼性,コミュニティの持続性を分析し,(2-3)それらとコーディネータの媒介能力との相関を調べることで,コーディネータの媒介能力がOSS開発及びコミュニティに与える影響を明らかにした.
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