2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20700031
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
成見 哲 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 准教授 (10342825)
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Keywords | 分子動力学シミュレーション / GPU / Playstation 3 |
Research Abstract |
本研究の目的は、グラフィックカード(GPU)やゲーム機などの準汎用的な計算機を効率的に粒子ベースの科学技術計算に適応できるライブラリプログラムを開発することである。そしてこのライブラリを用いて分子動力学シミュレーションや渦法などのプログラムを加速する。この結果通常のPCに比べて一桁コストパフォーマンスに優れる計算環境を実現することを目指す。 平成21年度は、平成20年度に開発したライブラリを拡張した。一つは並列化に対応させたことである。PLAYSTATION 3(PS3)用には、MR3ライブラリを並列化しAMBERによる分子動力学シミュレーションを複数台のPS3で加速した。3万粒子のシミュレーションでは16台のPS3を用いることにより7倍程度加速されたが、逆に1万粒子では台数が8台を超えると加速しなくなった。これはPS3のネットワークが比較的低速であるためである。 もう一つの拡張はGPUを用いて渦法に対応したことである。渦法は乱流の直接計算の手法の一種であり、Fast Multipole Methodを用いることで計算量をO(N)にまで減らせることが特徴である。MDGRAPE-3を用いた実装は以前からあったが、専用計算機であるため何倍も無駄な計算を行う必要があった。今回GPUを用いることで無駄な計算を省いた。 これらの拡張を応用して、GPUを用いた渦法による一様等方性乱流の大規模シミュレーションを行った。64GPUを用いて$9.4/Gflopsを達成し、通常のPCに比べて一桁以上コストパフォーマンスに優れる計算を行うことが出来た。
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[Journal Article] Fast Multipole Methods on a Cluster of GPUs for the Meshless Simulation of Turbulence2009
Author(s)
Yokota, R., Narumi, T., Sakamaki, R., Kameoka, S., Obi, S., Yasuoka, K.
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Journal Title
Computer Physics Communication 180
Pages: 2066-2078
Peer Reviewed
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