2009 Fiscal Year Annual Research Report
並行型ソフトウェア開発の工数・開発期間超過シミュレーション
Project/Area Number |
20700032
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
野中 誠 Toyo University, 経営学部, 准教授 (30318787)
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Keywords | ソフトウェア開発管理 / コスト予測 / シミュレーション |
Research Abstract |
並行型ソフトウェア開発におけるシミュレーションモデルの構築にあたり、A社(仮名)における実プロジェクトデータを用いたモデル構築の研究を行った。ここでは、欠陥除去率(開発プロセスにおける欠陥見逃しの少なさを表す指標)が、並行型開発における後続プロジェクトの経過に伴って逓減する現象に着目し、これが信頼度成長モデルに従って逓減する場合と、途中経過までに得られた実測値の情報を考慮した上で逓減する場合を比較し、並行型開発全体における見逃し欠陥の影響を評価できるシミュレーションモデルの構築を行った。シミュレーションモデルの構築にあたっては、ベイジアンネットワークの分析ツールGeNieを利用し、いくつかの要因を確率変数としてモデル化し、計算機上でシミュレーション可能なモデルを構築した。本研究を実データで評価し、その予備的成果を学会にて報告した。 また,これとは異なるB社について、製品系列開発におけるリビジョン(改版)記録の分析し、より大規模かつ長期間にわたる並行型ソフトウェア開発のデータを分析し、論文として発表した。本研究は、シミュレーションモデルに関する直接的な研究ではないものの、現実のソフトウェア開発で生じている事象を詳しく理解し、シミュレーションモデルの洗練を行う上で意義ある分析である。 さらに、C社の派生開発における開発プロセスおよび品質データにアクセスできる状況を確保し、生データの解析に着手した。このデータはA社とは性質が異なる並行型ソフトウェア開発であり、複数データによるモデルの評価が期待できる。C社のデータにアクセス可能となったのが本年度の終盤であったことから、本年度における公表成果はないが、来年度につなげる予定である。
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Research Products
(4 results)