2008 Fiscal Year Annual Research Report
XML向けデータベースプログラミング言語への融合変換適用に関する研究
Project/Area Number |
20700035
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
日高 宗一郎 National Institute of Informatics, アーキテクチャ科学研究系, 助教 (70321578)
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Keywords | データベースプログラミング言語 / XML / 融合変換 |
Research Abstract |
XML処理に関する諸階層間のインピーダンスミスマッチを解消すべく提案されているXQueryなどの関数型プログラミングスタイルを持つデータベースプログラミング言語では、複数の変換の合成の形で処理が記述されることが多く、圏論を援用した融合変換技術の適用が期待される。 本年度は圏論に造詣の深い研究者との研究交流を通し、本研究で着目している子孫(descendant)軸アクセスに対応する再帰形式が関数プログラミングの分野でよく知られている再帰形式のひとつであるparamorphismに密接に関連していることが分かった。 paramorphismに対する融合規則に関しても、既存研究が幾つか見つかったため、来年度以降引き続き調査を行う予定である。 データベースプログラミング言語の分野では、structural recursionが詳しく解析されているが、とくにグラフ問い合わせ言語UnQLの代数レベル(UnCAL)で導入されているものは、列方向(水平)と子孫(垂直)方向両方に再帰するという意味で、子孫軸アクセスに類似の射と捕らえることができる。このstructural recursionでは融合変換規則が知られており、今年度はそれを実装したが、融合後の射の本体が複雑になり、様々な補助変換が必要になってくることが分かった。この再帰形式もparamorphismに密接に関連しており、XMLのデータモデル(木)をより一般的なグラフの観点から捉えなおすことで、融合規則を含む諸性質を本研究に生かすことが期待される。 データモデルの実装に向けて、Lisp処理系を導入した。
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