2008 Fiscal Year Annual Research Report
計算機代数に基づく高性能VLSIデータパスの形式的設計技術の開発
Project/Area Number |
20700041
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
本間 尚文 Tohoku University, 大学院・情報科学研究科, 助教 (00343062)
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Keywords | 計算機システム / システムオンチップ / VLSI設計技術 / 算術アルゴリズム / 形式的設計 / 計算機代数 / データパス / グレブナー基底 |
Research Abstract |
平成20年度は, 交付申請書の(1)および(2)に対応して以下の2項目について研究を行った. (1) 任意の整数方程式の組み合わせで記述される算術アルゴリズムに適用可能な形式的検証手法を開発した. 本申請者らがこれまでに開発してきた検証手法は, 多項式リダクションのみを用いており, 線形整数方程式の組み合わせで記述される算術アルゴリズムに対象が限定されていた. そこで, これまでの検証手法を拡張し, 検証対象となる機能(整数方程式)の正当性を判定する問題を多項式イデアル所属問題に帰着させることで, 任意の多項式からなる算術アルゴリズムを取り扱い可能とした. 拡張した手法では, 等価性判定に用いる内部回路記述(多項式集合)をグレブナー基底へと変換し, 得られたグレブナー基底に多項式リダクションを実行することにより, 検証対象の機能が多項式集合により導出できるかどうかを判定した. 本研究では, 以上の形式的検証手法を定式化するとともに, そのプロトタイプソフトウェアを開発した. 開発においては数値計算ライブラリを利用した. (2) モジュールジェネレータで生成するべき乗剰余演算アルゴリズムの基本設計を行った. 本研究では特に左バイナリ法による設計を検討した. 乗剰余算と自乗剰余算は,モンゴメリ乗算アルゴリズムにより,除算を用いることなく加算とシフト演算のみで実現した. これにより, 回路面積や演算速度で大幅な性能向上を実現した. なお, モンゴメリ乗算の計算過程で使用する乗算アルゴリズムには, 本申請者らの開発したジェネレータが生成した242種類のアルゴリズムを用いた. また, 演算語長は4ビットから128ビットまで網羅的に設計した.
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Research Products
(29 results)