2008 Fiscal Year Annual Research Report
大規模複合無線環境おけるシームレスハンドオーバ管理手法に関する研究
Project/Area Number |
20700064
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
樫原 茂 Nara Institute of Science and Technology, 情報科学研究科, 助教 (60380739)
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Keywords | ハンドオーバ / ハンドオーバトリガー / 無線LAN / WiMAX / フレーム再送 / キュー長 |
Research Abstract |
本研究では、様々な無線アクセスネットワークが使用可能な複合無線環境を対象とし、実環境を想定した大規模な異なる無線アクセスネットワーク間のシームレスハンドオーバに関する研究を進めている。平成20年度では、1) 既存の提案方式による大規模無線LAN環境における適応性の限界と既存手法の改善、及び2) WiMAXと無線LAN間のハンドオーバトリガーの調査・検討に対して研究を行った。 まず、1) においては、大規模無線LAN環境のように複数の端末が存在ずる環境において、既存の提案手法で用いたハンドオーバトリガー(フレーム再送回数)だけでは輻輳による通信品質の劣化を検知できず、その結果、ハンドオーバ時の通信品質が劣化することを明らがにした。そこで、無線LAN内の輻輳状況を検知するため、端末側からアクセスポイントの輻輳度合い(キュー長)を推測するための仕組みを提案した。本手法により、既存のアクセスポイントに新たな機能を追加する必要なく、輻輳を考慮したハンドオーバが可能となることを示した。 また、2) においては、WiMAXと無線LAN間のハンドオーバ時における通信品質の劣化を迅速かつ適切に判断するためのハンドオーバトリガーの調査・検討を行った。これまでの調査により、WiMAXではハンドオーバトリガーとして電波強度を用いている。しかし、電波強度だけでは、無線LAN同様に輻輳による通信品質の劣化を迅速かう適切に検知できない。また、音声通信のような双方向通信においては、WiMAXの輻輳時にダウンストリームよりもアップストリームの方が通信品質の劣化をおこしやすいことが明らかとなった。この特性をもとに、ベースステーションを変更することなく、端末側において、移動及び輻輳によるWiMAXの通信品質の劣化を迅速かつ適切に検知できるハンドオーバトリガーについて検討を行った。
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Research Products
(1 results)