2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20700073
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
栃窪 孝也 Nihon University, 生産工学部, 講師 (60440038)
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Keywords | 暗号・認証等 / データストレージ / セキュア・ネットワーク |
Research Abstract |
これまで秘密分散法のネットワーク接続型ストレージへの適用の検討は行なわれていたが、従来の(k,n)しきい値法では秘密情報の分散・復元には複雑な計算が必要だったため有効なシステムは提案されていなかった。しかしながら、申請者らが提案した排他的論理和演算のみで実現可能な(k,n)しきい値法により大容量データの秘密分散の実用化の可能性が高まったといえる。本研究で得られた結果を実現することで、一部のストレージデバイスが盗難にあっても元の秘密がまったく流出せず、かつ、一部のストレージデバイスが地震等の災害で利用不可能になっても元の秘密情報を復元可能なストレージシステムを構築可能となる。さらに、提案方式はネットワーク接続型のストレージに限らず、PCやサーバのHDDで利用されるRAID、ユビキタス環境でのシンクライアントによる機密情報の持ち出しやUSBメモリによるデータの運搬などさまざまな応用が考えられ、その波及効果は計り知れない。平成20年度は、高速に秘密情報の分散・復元が可能な秘密分散法の研究を行うと共に、(k,n)しきい値法では実現できないデータ管理を行う場合に、管理するデータサイズを小さく可能な秘密分散方式を開発した。平成21年度は、高速に秘密情報の分散・復元が可能な秘密分散法をネットワーク接続型ストレージシステムに実際に実装し、その有効性を検証した。提案したシステムは従来のものと比べ非常に高速であり、機密性と可用性とを両立する実用的なものであることが明らかになった。
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