2008 Fiscal Year Annual Research Report
異常補正・状況認識・確率計算を支援する高性能なセンサ情報処理基盤に関する研究
Project/Area Number |
20700078
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
川島 英之 University of Tsukuba, 大学院・システム情報工学研究科, 講師 (90407148)
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Keywords | 確率推論 / ストリーム処理 / パタンマッチング / 来歴 |
Research Abstract |
研究目的を達成するために, 確率推論技法のひとつであるベイジアンネットワークを関係ストリームデータ処理に統合した. 統合のためにベイジアンネットワークを状態付関係代数演算子としてモデル化した. 状態としては, ベイジアンネットワーク内のイベントの生起継続性を管理させた. これにより従来は考えられなかった確率推論と関係ストリームデータ処理を自然に統合するモデルを実現した. 次に, このモデルをC言語で実装し, さらに, 選択, 射影, 結合, 直積, 和, 集約を有するストリーム処理エンジンと統合した. 実装したストリーム処理エンジンは100万タプル/秒程度の高スループットを示した. 更に, 同SPEの来歴を永続化する技法を検討した. 永続化処理を演算木の葉, 根, それぞれで実行する方式を実験的に評価した. その結果, 多重結合のように演算木の処理負荷が大きかったり, 出力タプル数が入力タプル数よりも著しく増加するような場合には, 葉方式が優れることが示された. 逆に, 選択率が0である選択演算が一つしかないような処理負荷の低い演算木の場合には, 根方式が優れることが示された. 永続化に際しては全来歴タプルをマーシャライズすることでディスクアクセスを高々一度に減じることで高性能化を実現した. また, ストリーム処理エンジンにおいて時系列イベントの検出を実現するために, REGEXに基づいたパタンマッチング技法を考案すると共に, 来歴利用により確率計算を大幅に削減できることを示した. 開発した基盤システムを応用するシステムとして, ロボットならびにルーターへの応用を検討した.
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Research Products
(7 results)