2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20700086
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
寺西 裕一 Osaka University, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (30403009)
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Keywords | 情報システム / モバイル / ナビゲーション / プロファイル / 情報推薦 / P2P |
Research Abstract |
昨年度に引き続き,ユビキタス環境における位置依存情報サービスとして,移動履歴をユーザのプロファイルとして用いることで,ユーザ自身に個人の属性情報などの登録を強いることなく,効果的な行動ナビゲーションを行なえるようにする枠組みの検討を行なった.今年度は移動履歴蓄積システムの実装評価と履歴の取得・管理方式の検討を進めた. 移動履歴蓄積システムとして,GPSが利用できない屋内を含め移動履歴を収集可能とするWiFi位置推定を用いたユーザ位置検出・記録ツールを携帯端末(iPhone/iPod touch)向けに実装し,一般公開した.研究用途でありながら,公開から約半年で世界59ヶ国から6千を越えるダウンロードがなされた.また,本ツールを用いたユーザ実験を実施し,プロファイルとしての恒常的な移動履歴の取得の実現可能性,および移動履歴の照合により同一箇所の訪問を検出できることを確認した. 移動履歴の取得においては,座標より滞在場所(エリア)の判定が重要となるため,ノードが受信する無線電波強度に基づく存在位置の確率分布を伝播させることで,滞在エリアの判定を高精度で行なうための方法の検討も行なった.従来の手法と比較し,とくに位置が既知のノードが少ない環境で滞在エリアの誤認識を削減できることを確認している. また,移動履歴が分散した端末やサーバに格納されたP2P型アーキテクチャにおいて,移動履歴が一致するユーザを探索可能とするための分散プロファイル管理手法を検討・提案した.具体的には,Bloom Filterを用いた分散検索手法に,移動履歴を適用する方法,ユーザの活動拠点に基づきIDを割り当てる方法を提案した.シミュレーション評価により,移動履歴を個別にキーとして扱う従来手法と比較して大幅にメッセージ数を削減したユーザの探索が可能であることを確認した.
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Research Products
(5 results)