2008 Fiscal Year Annual Research Report
ラッシュ映像の編集による映像コンテンツ制作支援システムの構築
Project/Area Number |
20700087
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
新田 直子 Osaka University, 大学院・工学研究科, 助教 (00379132)
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Keywords | ラッシュ映像 / 映像編集 / コンテンツ制作 / パターン学習 / カメラワーク |
Research Abstract |
映像コンテンツ制作は一般に, 既存の素材映像や音・トランジション効果などの要素メディアを選択し, 組み合わせることにより実現される. ここで本研究では素材映像として, 一般ユーザがデジタルビデオカメラなどで撮影した映像(以下, ラッシュ映像と呼ぶ)を対象とした映像コンテンツ制作支援システムの構築を目指す. 本年度は, 映画と映画予告映像を事例映像とした学習に基づき, 以下の要素技術の実現に取り組んだ. 1) 必要な部分映像の選択 : 事例映像の視覚的特徴パターンに基づき, 素材ショットから冗長区間を除去し, 必要な区間のみを抽出する手法を提案した. 実際に12本の映画予告映像に用いられたショット69個に提案手法を適用し, 72.5%(50個)のショットに対し5フレーム以内のずれで実際に使用された区間を抽出できることを確認した. 2) 要素メディアの適切な構成配置の提示 : 視覚的変化をもたらすショット切り替えにおける音響の聴覚的変化パターンに基づき, ショット切り替えと同期付けるべき音響境界を抽出する手法を確立した. 実際に10本の映画予告映像に用いられた音響において3フレーム以内のずれで67.3%(68/101)の音響境界抽出が可能となった. 3) 特定フレーミング, カメラワークで撮影した映像の擬似生成 : カメラのパンにより撮影されたラッシュ映像に対し, まずイメージモザイキングを用いて入力映像よりも広いフレーミングで撮影したような映像を擬似的に生成し, 生成された映像の各フレームからの矩形抽出により, より自由度の高いフレーミング, カメラワークで撮影した映像の生成を実現した. 被験者8人によるカメラワークの自由度に関する主観評価の結果, 5段階で平均3.6の評価が得られた.
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