2010 Fiscal Year Annual Research Report
ラッシュ映像の編集による映像コンテンツ制作支援システムの構築
Project/Area Number |
20700087
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
新田 直子 大阪大学, 工学研究科, 講師 (00379132)
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Keywords | ラッシュ映像 / 映像編集 / コンテンツ制作 / パターン学習 / 事例 |
Research Abstract |
映像コンテンツ制作は一般に,既存の素材映像や音・トランジション効果などの要素メディアを選択し,組み合わせることにより実現される,ここで本研究では素材映像として,一般ユーザがデジタルビデオカメラなどで撮影した映像(以下,ラッシュ映像と呼ぶ)を対象とした映像コンテンツ制作支援システムの構築を目指す.本年度は,映画と映画予告映像を事例映像とした学習に基づき,前年度までに開発した要素技術を統合したインタフェースを開発し,映像コンテンツ制作支援システムのプロトタイプを構築した. 具体的な支援方法は以下の通りである.まず,正事例となる,素材となる映像(映画)と他の要素メディアの組み合わせにより専門家が制作した映像コンテンツ(映画予告映像)から学習したショット列の構成をテンプレートとして生成し,インタフェース上に提示する.システムは,ユーザがテンプレート上で選択した各ショットに対し,ラッシュ映像を,テンプレートに対する適合度と知覚品質に応じてインタフェース上に提示し,新たな映像コンテンツ制作時のショット列生成において,ラッシュ映像の選択・配置を支援する.また同様に学習した,シーンと音楽の関係,ショット列及び音楽とトランジション効果の関係に基づき,生成したショット列に対し,音楽及びトランジション効果を付与する. 構築したプロトタイプシステムを用い,実際にデジタルビデオカメラで撮影したラッシュ映像を素材映像とした映像コンテンツ制作を行い,制作された映像コンテンツの品質に関する主観評価によりシステムの効果を評価した.ラッシュ映像の知覚品質のみを考慮して支援した場合に制作された映像コンテンツの評価点が3.9点であったのに対し,テンプレートに対する適合度も考慮することにより6.2点に向上し,事例を用いた学習に基づく映像コンテンツ制作支援システムの有効性が示された.
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