2009 Fiscal Year Annual Research Report
大規模な階層構造データに対する探検型可視化手法の開発
Project/Area Number |
20700091
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
井上 悦子 Wakayama University, システム工学部, 助教 (50452537)
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Keywords | 可視化 |
Research Abstract |
本年度は、大規模な階層的クラスタリング結果を対象に開発した探検型可視化手法の有用性を向上させるために、従来のスタンドアロン方式からサーバクライアント方式への拡張を行った。当初の実施計画では、探検型可視化手法の適用対象が、階層的クラスタリングによって得られるような、二分木の樹状図で表現可能な階層構造データのみであったのを、より一般的な木構造データに対応できるようにアルゴリズムを拡張することであった。しかしながら研究を進めている中で、探検型可視化手法の適用対象のデータ範囲を拡張するよりも、インターネットなどを通じて多数のユーザが手軽に利用できるような拡張を行い、実用的な可視化システムを実現する方が重要であると気づいた。そこで、探検型可視化手法を用いた可視化の有用性を向上させることを優先することにし、サーバクライアント方式への拡張を行った。従来のスタンドアロン方式による実現では、ユーザによるインタラクティブな操作に応じたグラフの状態変化を、対象データの規模に依存せず高速に処理するという、探検型可視化手法の利点を実現するために、対象データ全体を実行マシンのメモリ上に展開する必要があった。そこで本年度は、インターネットなどのネットワーク経由で複数クライアントがサーバにアクセスし、クライアントごとにそれぞれのユーザが自由に対象データを閲覧できるよう、サーバクライアント方式への拡張を行った。本年度は同一LAN内に接続したサーバクライアント間での評価実験を行い、学生の卒業研究としてまとめることができた。今後さらなる評価を行った上で、研究発表する予定である。
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