2010 Fiscal Year Annual Research Report
実体型擬人的媒体のマルチモーダル表現への個人化表情付与に関する研究
Project/Area Number |
20700106
|
Research Institution | Advanced Telecommunications Research Institute International |
Principal Investigator |
米澤 朋子 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 研究員 (90395161)
|
Keywords | 擬人的媒体の表現 / 日常挨拶マルチモーダル表現 / 性差・年齢差による個人差 / 個人内・個人間表現差 / 表現の中点 |
Research Abstract |
平成22年度の研究実績は,平成21年度に行った個人化マルチモーダル表現のための,年代別・性別別の日常挨拶マルチモーダルデータの取得実験の結果を分析し,研究会発表ではあるがマルチモーダルフォントと題して外部発表を行うとともに,ロボットへの適用に関する予備検討を行った. 特に,個人内・個人間変化を分析し,大局的に2種類の表現変化に分類を行うことを提言した.個人内表現差aは同年代の相手で「親しい」・「苦手な」相手に対する態度の表現差を示し,個人内表現差bは「同年代」と「目上の人」を相手とする時の態度の表現差を示す.この時,個人内表現差abの大小を分けるマトリクスから個性を導き出せるという,長期的な個性の示し方を発見した. その一方で,単一モダリティやクロスモダリティ効果を分析したところ,個人の背景(例えば体育会系など)により,表現強度の高いモダリティが異なることがわかった.例えば屋外チームスポーツをやっている人は,日常挨拶にも大きな声を出し.身振りや手ぶりはあまり現れない.高齢層と若年層の女性は身振りや手ぶりが出やすいが,そのストロークなどは年代や個性により異なる. 擬人的媒体における再現は選択部位的に予備検討にとどまったが,単純化の手法は体の部位の座標から計算される角度を適用するだけではなく,強調されるべき部位として肘以下の手の動きが反映されることが望ましい可能性が示唆されている.今後も部位反映に関する検討を継続する. 個人内表現差の増幅には中点を決定するのは取得データに基づく他ないが,個人間表現差の増幅のためには個人間変化量の中点がいずれにあるかを大量個性データにより検討するほうがより望ましいことも考えられる.しかしこれに対し,ある程度の人数による主幹評価を求めることで,間接的に中点を決定できると結論付けた.
|