2008 Fiscal Year Annual Research Report
周辺視野領域への映像刺激による速度感覚増強提示手法の研究
Project/Area Number |
20700121
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
野嶋 琢也 The University of Electro-Communications, 大学院・情報システム学研究科, 准教授 (10392870)
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Keywords | バーチャルリアリティ / シミュレーション工学 |
Research Abstract |
本研究では人間の「移動感覚」に着目し, 移動感覚を構成する要素の一つである「速度感覚」を安価に増強可能なシステムの構築をその目標としている, 人間の速度感覚知覚には視覚情報が大きく影響を及ぼしており, 特に視野周辺部からの情報が重要であるとされている.そこで本研究ではこれまで, 視野周辺部に対して, 移動する光点群および移動する特定の輝度パターンの2種類の視覚刺激を提示することで速度感覚の増強を行っている.計画を前倒しして実施された昨年度の研究では, 周辺視野刺激と速度感覚向上との間の関係性の検証として, 刺激の提示方向(上下左右)とそれにより生じる主観的な速度感覚増強度合いとの間の関係性を検証しており, 特に地面方向の視覚刺激が速度感覚知覚において重要な役割を果たしていることを確認した.本年度は特に正弦波状に輝度が変化するパターン(縞状パターン)を利用して, 輝度変化の振幅や変化方向(縦・横・斜め)に依存した, 視覚刺激の認知度合いの変化についての評価を行った.その結果, 輝度変化の方向(縞状パターンの方向)に応じて, 縞状パターンそのものの認知特性が変化することを確認し, 特に斜め方向の縞状パターンについて, 最も認識率が下がる現象を確認した.この結果をあわせることにより, 来年度以降の圧迫感の少ない刺激提示手法の開発につなげていく.
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Research Products
(1 results)