2010 Fiscal Year Annual Research Report
周辺視野領域への映像刺激による速度感覚増強提示手法の研究
Project/Area Number |
20700121
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
野嶋 琢也 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 准教授 (10392870)
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Keywords | バーチャルリアリティ / シミュレーション工学 |
Research Abstract |
本研究では人間の「移動感覚」に着目し,移動感覚を構成する要素の一つである「速度感覚」を安価に増強可能なシステムの構築をその目標としている.人間の速度感覚知覚には視覚情報が大きく影響を及ぼしており,特に視野周辺部からの情報が重要であるとされている.昨年度までの研究において,速度感覚を増強する上では,視野の左右方向よりも上下方向に視覚刺激を提示した方が有利であり,特に地面方向と上方向とを比較した場合,地面側視野角90度の刺激と,上側視野角180度の刺激で同程度の感覚強度となることがわかった.また,150fpsで高速に画像を変化させる事で,単一のディスプレイでありながら,視野の周辺部のみに高速な運動刺激を提示することに成功した. しかし一般的なディスプレイにおいて150fpsでの映像切り替えは困難であることから,通常の低速な映像提示装置を利用した,視覚刺激装置を新たに構築し,その評価を行った.具体的には一般的に利用されている,60fpsでの映像提示が可能な小型液晶ディスプレイを視野周辺部に配置し,そこに運動刺激を提示した.この構築したディスプレイ装置による視覚刺激と,通常の大型スクリーンによる視覚刺激とを,重心動揺を利用して比較したところ,自己運動感覚に対して同程度の影響力があることが示唆された.
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