2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20700129
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
田中 克明 一橋大学, 情報基盤センター, 助教 (80376657)
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Keywords | 情報システム / 人工知能 / 可視化 / 設計工学 |
Research Abstract |
本研究は、時間経過とともに蓄積された情報を解析し、記述されている内容の変化パターンから、変化をもたず定常的なもの、ある時点でのみ使われるもの、一時的だが繰り返されるものとして抽出し、これらを利用者の視点に応じて動的に再構成する仕組みの開発を行うことを目標として進めている。 平成22年度は主として、これまで対象としてきた設計活動にまつわる記録以外に、近年Web上に数多く蓄積されるようになった、多数の人間が参加するコミュニケーションの記録を対象として、主題とその遷移の抽出を試みた。時系列に沿って蓄積される文書から主題とその遷移を取り出すという本研究の基本的なモデルは変更せず、文書から主題を抽出する文書の断片化とクラスタリングの手法、遷移のための忘却パラメータの設定などを検討した。また、本研究では再構成をどのように行うかを利用者側の背景知識に依存するため、これを刺激することを目的とし、再構成のキーとなる単語を計算機の側から提案する仕組みなども取り入れた。 これらの結果、Web上のコミュニケーションにともない蓄積された文書群から利用者が再構成を行いやすい主題の遷移を抽出するためには、主題抽出の手法、パラメータの設定よりも、対象とする文書群をどのように選択するかということの方が、より大きな影響を持つということが分かった。 これより、本研究が現在用いている手法は、文書の作成者たちが自分自身の考える対象をそれぞれに持ち記述を行っている文書群よりも、設計記録のように、文書の作成者たちが共通の対象に関わり対象を成長させている過程を記録した文書群に対して、効果的であるということが分かった。
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